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『コルセットに翼』1、2巻 もとなおこ プリンセスコミックス 舞台は19世紀末から20世紀初頭、ヴィクトリア朝末期のイギリス。両親を亡くしたヒロインの少女クリスはやっかい払いされるかのように親戚の手により寄宿学校に預けられることになった。しかしそこは寄宿学校とは名ばかりの監獄のような所であって……。 もう、なんというか舞台がビクトリア朝というだけで、やっていることは一昔前の大映テレビドラマを見ているかのようなベタさ加減、悲劇のヒロインっぷりなんですよ。「少女に何が起こったか」とか「ヤヌスの鏡」とか、ノリはまさにあんな感じ。両親を早々に亡くすというヒロインの不遇っぷりですが、そこから怒濤のごとく待ちかまえる不幸の連続はベタであり王道過ぎます。 寄宿学校を支配するデスデモーナの分かりやすいくらいの意地悪さ、憎まれ役っぷりは飛び抜けていて、あの手この手でクリスを不幸に陥れていく展開は可哀想すぎます。しかし、ただ単に虐げられっぱなしで終わらないのは当然のことで、クリスの不遇っぷりを救う人間達が次々と登場してくるのもこれまた王道。 1話目にして、寄宿学校に向かうクリスに希望を持たせてくれた隻眼で車椅子に乗った紳士が登場。その名もミスターバード。もう、名前からしてなんてベタな! しかもこの人、クリスの母親と縁があるようで、クリスを不幸な境遇から救い出してくれる重要人物の一人になりそうな予感もします。 また2巻目になって登場した画家のラファエル。信用される階級に位置し、またクリスの父親と縁があった部分も見せてくれて、彼もまたクリスを救い出す重要人物の一人として今後描かれていきそうなところです。 このように不幸な境遇でありながらも、そこから救い出してくれる存在を見せられることによって読者である我々は安心して物語を楽しむことが出来るのです。ミスターバードにせよ、ラファエルにせよ、クリスの出自の謎に深く関わることによって、今は虐げられるシンデレラだけど、いつかは陽の当たるシンデレラとしてクリス自身が輝ける日が来るんじゃないかと期待を持たせてくれる所も、王道ストーリーの醍醐味なんですよね。 そしてヒロインのクリス自身も、不遇な環境を嘆くのではなく、持ち前の賢さと芯の強さを持ってしてその境遇に対して毅然と立ち向かっていく強さを持っており、そういった部分に何とも心強さを感じるのですよ。ただメソメソと泣いて待っているだけのヒロインではなく、辛きに堪え、いつの日か飛び立てる日の為に伏して待つという、年に似合わない賢さには何とも驚かされます。 タイトルにあるコルセットは、寄宿学校におけるデスデモーナの抑圧の象徴として描かれるのですが、その抑圧に堪え抜き、抑圧の象徴であるコルセットを自身を守る鎧へと変え、翼を生やして飛び立つ日の為に生き抜いていく少女達の姿に何とも目を奪われる訳です。 あと、この物語の舞台はビクトリア朝末期なのですが、『エマ』が終わってしまった今、ヴィクトリア時代の漫画を楽しめるという点でも有意義ですよね。寄宿学校、階級社会、メイドにコルセットにエプロンドレス。ヴィクトリア時代の空気を感じつつ、大映ドラマ的な王道ストーリーも堪能できるというお得感。結末はハッピーエンドであると信じられるからこそ楽しめる物語であり、今後の展開も非常に楽しみな漫画です。オススメですよ。 『コルセットに翼・1』の感想、『コルセットに翼・2』の感想(空夢ノート) もとなおこ/コルセットに翼 (マンガ1巻読破)
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もとなおこさん、新連載始めてたんですね。よくよくヴィクトリア朝が好きな人だなあ・・。前作の「レディー・ヴィクトリアン」がなかなか面白かったから、これも買おうかな。 |
アッキー 2008/06/25 14:32 |
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