![]() 『Sweep!!』1巻 小橋ちず バーズコミックス 「田舎の女子高生」「夏休み」「青春」。ああ、なんて素敵なキーワード達。『時かけ』しかり、『サマーウォーズ』しかり、夏の青空の下、女子高生がきらきら輝く物語は素晴らしいものなのです。しかも、その女子高生が方言なんか喋ってた日には別種の感慨も上乗せされて、さらにドキドキしてしまうわけです。そして、このマンガはまさにそんな僕らの求めているものに応えてくれるのです。評判良さげなんで買って読んだのですが、これは期待以上の出来でしたよ! かつては温泉街として栄えたものの今は寂れた田舎町、単線列車の終着駅の町が物語の舞台。その町に住むヒロインとその友人達が、ひょんな事から隣町とのいざこざに巻き込まれて、町の代理戦争の代表となって戦うこととなったのです。そしてその戦いの内容とはカーリング勝負だったのです。 最近はオリンピック効果もあってマイナー競技から脱却しつつもありますが、広く普及しているかといえばそんな事は全くない、やはりマイナースポーツたるカーリング。なぜかそんなカーリングを戦いの手段として隣町と争うこととなるわけですが、そもそも温泉しかないような田舎町。カーリング施設もあるはず無く、そもそもカーリングの知識さえない。ようやく仕入れた知識といえば「4人で床を磨く競技らしい」という、当たっているようで当たってない間違った知識。 しかもヒロインが風呂屋の娘ということもあり、風呂屋でバスタオル姿でモップ片手に床掃除をするという間違った方向性でカーリングの練習をし始めるあたり、何とも輝いているのです。別の方向に! ![]() このマンガの魅力の一つに、このマイナー競技を理解してないズレっぷりがあるのです。ズレっぷりの可笑しさと、そのズレを解消して成長していく楽しさ。ヒロインは子供の頃から風呂屋の床磨きをやっていたせいもあり、床磨きは当然として、石鹸に乗って床を滑るのもお手のもの。そんな事がカーリングで役に立ったりしていくのも、何とも面白いのです。 あといくら田舎の女子高生とはいえ、バスタオル姿で風呂屋の床掃除をしているという姿には何ともドキドキさせられます。何なんだろう、このドキドキ感は。はじめてカーリング勝負を依頼されたときも、友人の父親が風呂場にいるというのに女子高生達はバスタオル姿でも恥じらいなくいるんですよ。この大らかさというか、ズレっぷりは田舎故なのか、単なるサービスシーン投入目的なのかは分かりませんが、どうにもオレの心を掴んで離さない要素であることだけは間違いないのです。 当初はカーリングのことさえ理解してないヒロインが、カーリングに詳しい友人を新たなメンバーを加え、そして実際の競技を目の当たりにし、その競技の魅力を知っていくという過程。夏休みを前に空虚感さえ抱いていたヒロインが、カーリングを初めてやったその日の夜、風呂に入りながら心地よい充実感を抱いている様なんかは、見ているこちらの方まで嬉しくなってきてしまうのです。 無口で優等生な友人との友情という面で見ても、ソフト百合的な味わいがあって楽しめますし、今後この4人がどのように一つのチームとして結びついていくのかという点でも期待してしまうところです。 カーリングというスポーツを題材にしつつも、そもそもカーリングさえ知らないという辺りからも分かるように全体の雰囲気はとにかくゆるゆる。しかし、そのゆるさも心地よいのです。熱血ではないスポーツ漫画、それでいてしっかりと青春しているストーリー。何かやらなくちゃと思いつつも何をやったらいいかわからないそんな高二の夏休み。打ち込めるものを見つけたヒロインの夏休みがどんなものになっていくのか、今後の展開が非常に楽しみであります。オススメですよ。 女子高生4人でゴシゴシこするよ!…え?「Sweep!!」(たまごまごごはん) 【オススメ】 小橋ちず/Sweep!!(マンガ一巻読破) ちょっと珍しいかも、カーリング漫画 『Sweep!!』1巻(棘叢庵漫録) |
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