大いに笑えてニヤリングできる青春てんこ盛り劇場、『とらドラ』1~4巻

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『とらドラ』1~4巻 竹宮ゆゆこ 電撃文庫

ラブコメを主食とし、ラブコメを明日への生きる活力とし、ラブコメでニヤリングすることを明日への原動力としているこの自分ですから、常日頃からラブコメに対する飽くなき渇望を持ち合わせているはずだったのですが、そんな自分がこの作品を見逃していたとは何たる不覚!

『わたしたちの田村くん』は大好きで、その同じ作者による新作であるならば速攻で手を出していなければいけなったというのに、「ラノベは読むのに時間かかるから」とかヘタレた言い訳をしているようではラブコメ信者失格です。

『わたしたちの田村くん』はどちらかというとストーリー寄りに強い印象がありましたが、『とらドラ』の方はコメディ色が強く、キャラを全面に押し出したまさにラブ&コメディ。コメディは軽快で痛快、そしてキャラクター性の強い色とりどりの人間達が織りなす物語は、大いに笑えて大いにニヤリと出来、そして締めるべき所できっちりと締めてきて、青春っちくに心を揺さぶる情緒的な展開も見事の一言。ラブコメでありつつも、こうしてしんみりと落とすべき所を落としてくる上手さはやはりさすがです。

1巻から4巻まで一気に読んでしまいましたが、好きなのは1巻と4巻。1巻は物語の導入部でもありますが、その後の大河と竜児の関係性を示した巻でもあります。互いに想い人がいて、その想いをかなえるための共闘というスタンス。それでいて互いが互いを無意識のうちに気にかけ必要とし寄り添い合うという関係。この微妙な関係性が思春期少年少女の心に与える影響というか、恋心的に振れたり、家族愛的に振れたり、どういった感情なのか表現できない部分に振れていったりと揺れ動く様こそがこの物語最大のキモなんですよ。そういった意味で、1巻は導入部としても竜児と大河の関係性という部分においても、ものすごく上手くこの物語のキモを語っていて面白かったです。

そしてこの二人の関係性を波乱なく引きづったまま二人が結ばれるというのがこの物語のハッピーエンドなのかと思いきや、4巻目にしてそうはならない予兆を感じさせる展開に。そう、みのりん、彼女の存在な訳です。

1巻登場時より愛すべきキャラであり、読者からも愛され続けたみのりんが4巻にして急浮上。元々竜児の想い人ではあったけど、本当にその想いが成就するとは思っていなかったのに、なんだかフラグ立てに成功してしまった模様なんですよ。さすが元エロゲライターの作者だけあって、主人公キャラによる全方位フラグ立て展開はお手の物なんでしょうか。

まぁ、大河と竜児の関係の進展を考えた場合、みのりんと北村の存在抜きには考えられませんし、みのりんがここで参戦してきて、三角関係模様に突入するのもまたラブコメの醍醐味。僕らを大いにニヤリングさせる三角関係展開を是非にと所望する所存です。

あと4巻といえば、海でお泊まりで肝試しで花火でと、これでもかといわんばかりの青春てんこ盛り劇場。あまりのまばゆさと甘酸っぱさにニヤニヤするのみです。こういうベタなのは大歓迎であります。

そして我らがみのりんも大ハッスルで、80年代ネタを飛ばしまくり。なぜそこで石立鉄男がっとか、なぜそこで「ゲェェェ」という超人ばりの悲鳴がっとか、もう腹抱えて笑えることこの上なし。ひょうきん族ばりの○×判定といい、自分たちの世代に直撃するネタの数々は最高ですし、その辺りが余計にみのりんというキャラをひときわ輝かせるモノにしているんですよねぇ。

あと、主要キャラ以外でも脇キャラにキラリと光るモノが多いです。その筆頭はやはり恋ヶ窪ゆり先生(29歳独身)、4巻では全く出番がないにも関わらずカラーページの口絵でその存在感を大いにアピール。次巻辺りでは遂に三十路の大台に突入しそうな恋ヶ窪先生の明日はどっちだ!

あとは竜児の母親のやっちゃんに、ペットのインコちゃん、北村の尊敬する会長にと、脇キャラにも特徴的な人物が多く、この物語のコメディっぷりを盛り上げてくれてもいるし、時にしんみりともさせてくれますし、非常にいいキャラ揃いですよ。

さて、4巻が発売されたのが1月ですから、5巻発売は5、6月くらいと期待していいんでしょうか。4巻で変化の訪れた各キャラの心情と、関係を含め、どのような展開になるのか非常に楽しみな所です。

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