甘酸っぱく切ない余韻が素晴らしいボーイミーツガール、『サイコスタッフ』

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『サイコスタッフ』 水上悟志 まんがタイムKRコミックス

最初この漫画の単行本を見たとき、水上悟志さんの過去の漫画の短編集なのかなとか勝手に思い込んでました。いや、表紙の絵に新鮮さを感じなかったし、昔っぽい感じがしたモノで。ということであっさりとスルーしていたのですが、こんなにも面白い漫画をスルーしていたなんて大不覚。読後感爽やか、甘酸っぱくも切なく余韻のある素晴らしいお話でしたよ。

初めて貰ったラブレターの主は主人公のことを宇宙戦争の超能力部隊へとスカウトに来た宇宙人少女だった、という出だしから始まる物語。かくして超能力少年は宇宙人少女と出会ったのだったというボーイミーツガール。

設定としてはかなり突拍子もないのですが、あくまで日常の延長線上で物語は展開されており、日常SFストーリーとなってます。

そしてこの漫画が最高に面白いのは、やはり2人のキャラクターにありますよ。生まれながらにして超能力という天賦の才を持っていた主人公と、努力によって自分の才能を磨き上げてきたヒロイン。天賦の才に恵まれながら、超能力を使うことをよしとせず努力に勝る才能はないと説く主人公と、天賦の才を持ちながらそれを活かさないことに苛立ちを隠さないヒロイン。

このタイプの違った2人が、考え方の違いで衝突しあうんだけど、そんなぶつかり合いの中でお互いのことを意識しあっていく過程がこれまた気持ちいいのです。努力することをよしとする主人公が、努力の賜物によって現在の位置にいるヒロインのことを認めていくようになるのも、頑張っている人が報われないのは嫌だというヒロインが、超能力という天賦の才の上にあぐらをかかず日々努力している主人公のことを認め始めるようになるのも、お互いが似たもの同士であり、衝突しあっていた2人が次第に近づいていく過程として何とも甘酸っぱいのです。

また日常SFストーリーから飛躍して隕石衝突を回避する展開から、主人公の母親話、そしてラストに向けて盛り上がっていく展開も素晴らしいの一言。主人公の家族の絆を感じさせるエピソードに胸を締め付けられ、隕石衝突回避のため挑む主人公の姿にも胸を熱くさせられます。

そして、ラストの主人公とヒロインの別れのシーンに至っては、めぞん一刻ばりの絶叫告白から時かけ並のキスシーンに繋がる一連のシーンで何とも切なく甘酸っぱい気分にさせられました。余韻のある素敵なラストシーンで本当によかったと思います。

1話1パンチラという素敵な裏テーマもしっかりとこなされており、サービスシーン的な需要も確保。1巻で完結しているという読みやすさと、それでいて1冊に一つの物語が凝縮されているという満足感。短編としてこの上ない満足感を得られたこの1冊でした。まだ読んでない人には是非手にとって読んで貰いたい漫画ですね。オススメですよ。

しばた@OHPの「サイコスタッフ (まんがタイムKRコミックス)」レビュー

梅子は決して縞パン要員でありません、やれば出来る子なんです(まんが王倶楽部)

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