おっぱい揉みシーンにオレの妄想具現化を見た、『傷物語』

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『傷物語』 西尾維新 講談社BOX

前作『化物語』では結局最後まで語られることのなかった、主人公、阿良々木暦の物語。暦が吸血鬼と行き遭った事から始まる物語であり、化物語へと続いていく事となる怪異との遭遇に連なる発端の物語。そして暦と同級生の羽川翼の物語であり、暦と吸血鬼キスショットとの物語でもあります。

この巻は前作『化物語』よりも時系列的には前であり、前作で強い存在感を放っていた戦場ヶ原や神原、八九寺などの主要メンバーが全く登場しません。メインヒロインが1回も登場しないってどうなのよ、と。かけ合い漫才で読者を大いに笑わせてくれた神原や八九寺も出てこないということで、全体的に笑い方面での物足りなさも感じます。

しかしそれでも、この物語は面白かった。ヒロインの戦場ヶ原がいなくても、八九寺や神原との軽妙な会話シーンがなくとも満足できてしまう。それはなによりこのシリーズ最大の隠し球であり、真のヒロインであるところの羽川翼の魅力が余すところなく発揮されているからなのであります!

もう登場初っ端からパンチラしてくれるというお約束で読者の心を掴んでくれるし、その後もスカートたくし上げでパンツを見せてくれるし、そして最大の見せ場は何と言ってもあのおっぱい揉みシーンですよ。ものこの作品はこのシーンのためにあったと言っても過言ではなく、あのシーンこそがこの作品の最高到達点であり、あのシーンこそがこの作品の目的地であったとさえ言える訳なのです。

もう、中高生オタ男子の妄想の結晶というか、若きリビドーたぎるオタ男子の妄想具現化というか、あまりにも都合の良いエロ展開に心の奥底よりたぎってくる熱い思いで満ち満ちてくるのです! しかし、そんな熱い思いという名の煩悩を高めて堪能していたところで、まさかの最後のつめを誤る阿良々木くんと来たらっ。この弱虫、ヘタレ、甲斐性なし! 続きはウェブでは無理なので続きはアニメに期待します(無理です)

まぁ、そんなエロ妄想具現化的な魅力はさておき、羽川というキャラは真のヒロインと呼ぶにふさわしい魅力を持っているのは間違いないのですよ。ボーイミーツガールもののヒロインとして典型的であり、怪異事件に巻き込まれていき行動を共にするうちに芽生える恋心という分かりやすい王道。化物語下巻で彼女の抱える問題を理解している読者としては、彼女の行動原理がよく分かりますし、より一層感情移入できるってなものです。

逆に、この傷物語でこれだけのヒロインっぷりを見せつけられると、阿良々木くんと羽川が結ばれないという決められた未来に失望に近い感情を抱いてしまう部分もあり、羽川の心情を察すると何とも胸締め付けられる部分もあるのですよ。阿良々木くんが戦場ヶ原と付き合うこととなって、それを羽川はどんな気持ちで見ていたのかと思うと、もう切なくって。戦場ヶ原と羽川の違いはといえば、怪異に魅せられた後に、積極的に行動し告白したか否かという点だけですしねぇ。

そんな羽川の魅力満載のこの傷物語ですが、メインは学園異能バトルものであり、教会やバンパイア達とのバトルという非日常なのです。この辺りの物語も王道であり、描き尽くされた題材ではありますが、やはり見応えはあります。そしてその戦いの末に待っているキスショットと暦の物語も見応えがあるのですよ。

前作『化物語』にはないしっかりとした物語を読めたという満足感も大きいですし、化物語で謎だったキャラ達の過去を紐解けたという感慨も強いです。余談ですが、忍野がやたらとアニメ化を意識したセリフを連発していたのには笑わされました。

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