漫画家が編集者に恋をした、『ペンとチョコレート』1巻

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『ペンとチョコレート』1巻 ねむようこ まんがタイムコミックス

夜寝る前にベッドの中で漫画を読むのが日課です。眠い目をこすりながら読んでいると、大体読み始めてから2、3話くらいで寝落ちしているのが常なのですが、たまにそうではない場合もあります。続きが気になって眠るどころではなくなるような、眠気も吹き飛ばす面白い漫画。一気に読み切った後の充実した読後感と共に、物語を反芻しながら眠りにつける幸せ。この『ペンとチョコレート』は、まさにそんな漫画でありました。

この漫画はいわゆる「漫画家マンガ」と呼ばれるモノ。漫画家自身が、自分の職業である漫画家についてを描き、漫画制作にまつわるアレやコレを描いていくというマンガ。ただこの漫画の場合、漫画にかける情熱とか、漫画を描くことの苦悩とか、そういった要素も多少はあるんだけどそれが主ではなく、メインは漫画家の恋、しかも編集者との恋愛を描いているという部分に、強い興味をひかれるわけです。

漫画家の恋愛を描いた作品だと、最近だと吉住渉の『スパイシーピンク』がありました。しかしこの漫画の場合、恋の相手は漫画制作現場とは縁のない人間だった訳ですが、『ペンとチョコレート』ではその相手が編集者となっているのです。

漫画家と編集者。それは切っても切れない関係。時に相反する関係でもあり、時に二人三脚で一つのモノを生み出していくパートナーの関係でもある二人。そんな仕事上のパートナーが同性ではなく、異性同士だったらどうなるんだろう? 実際に男性の漫画家に女性の編集者が付くこともあるだろうし、逆もまた然りでしょう。そしてその時、二人の関係は恋愛関係に発展することはあり得ないのだろうか? 漫画業界に居ない人間からしてみれば誰しもが想像してしまう所ではありましょう。そして、この漫画はそんな漫画家と編集者の恋愛を描いていくわけです。

ただ、だからといって、漫画家と編集者の恋愛を漫画業界の裏側から赤裸々に描いていくとかそういったノリでは全くありません。むしろ、すごくライトに描かれているんですよね。そして、この軽やかさこそがこの漫画の面白さに結びついている部分もあるんです。

漫画家といえば、読者からしてみれば遠い存在の人間ではあります。しかし、そんな漫画家が自分たちと同じように恋愛をしている、しかも漫画家にとって非常に身近な編集者という存在に恋愛するという部分は、職場恋愛的な感情にも通じるものがあり、一気に身近な存在に感じてしまうわけです。

作中にもありましたが、恋愛要素は誰しもが経験しているからこそ共感を呼びやすいのであり、その事を身をもって実践しているのがこの漫画でもあるわけです。ちょっと気になり始めた編集者との雑談中に彼女が居ることを知って、ショックを受ける描写。これがまた何とも上手いんです。誰しもが経験したことのあるこの感情の表現の上手さ。

漫画を作り上げていくという過程の中で、自分の仕事を認めてくれる存在。そして、自分のことを必要としてくれる存在。漫画家という職業は読者にしてみれば遠い存在だけど、仕事上のパートナーと同じ仕事をしていく中で互いに認めあったり、その気持ちが恋愛感情に発展していく過程などは、遠いモノではなく身近なモノであるわけです。漫画家マンガでありながら、そういった身近な恋愛要素を描いていくというミスマッチ感も何とも素晴らしいのです。これは続きも非常に気になるところですね。ねむようこさんの他の作品も読んでみたくなってきましたよ。

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この記事へのコメント

うっちゃん☆
2009年10月05日 16:53
はじめましてDAIさん帝国さん。
通りすがりの者でーす。
自分も、ねむようこさんの事は知らずに。平積みの「ペンチョコ」を手にとって、面白かったので購入してしまいました者です。現在、友人に貸し出し中なのですが、Jンプで連載中の「バクマン!」
よりも読みやすくて、(シンプルで、自分の好きな羽海野チカさんとはまた違う良さで・・・)早く続きが読みたいとおもっております。
2巻はらいねんか・・・とおい!(苦笑)

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