鬼頭莫宏の自転車漫画『のりりん』が面白い、但し未だ人死には出ず


『のりりん』 鬼頭莫宏 イブニング連載

自転車漫画って面白いですよね! 自分の場合、『シャカリキ!』でハマって最近の『弱虫ペダル』でその熱を高めているところですが、他にも『かもめチャンス』や『並木橋通りアオバ自転車店』や『Odds』など、ロードレース以外の自転車を描いた漫画にもそれぞれの面白さがあって良いのです。

漫画に感化されてロードレーサーを買ったという人も多いでしょうし、最近は自転車に乗ること自体がブームになりつつありますし、自転車人気の加速も手伝って、自転車漫画の人気を後押ししている部分もあるのではないでしょうか。

そんな中、イブニング誌上で連載されている鬼頭莫宏さんの自転車漫画『のりりん』ですよ。『モテキ』の連載が終了して読む漫画が少なくなるなぁと感じていたイブニングですが、この漫画があるからまだ大丈夫! 鬼頭莫宏さんといえば『なるたる』や『ぼくらの』といったどちらかといえば鬱展開で人が死んでナンボという展開が多いイメージの漫画家さんなのですが、その鬼頭莫宏さんが自転車漫画を描くというのは意外と言えば意外。しかしサイトを見ても分かるように、自身もロードレーサーに乗ってレースに参加するくらいの自転車好きのようですし、鬼頭莫宏さんが描く自転車漫画というのも不思議ではないのかもしれません。

自転車のことを毛嫌いする主人公が、ひょんな事から自転車に乗ることになっていくまでの過程を描いている本作。まだ連載7話目で、どのような展開に転がっていくのか未知数ですが、今回の話がとにかく素晴らしかったのですよ。自転車を毛嫌いしていた主人公が実際に自転車に乗ってみてその楽しさを感じるに至るまでの心情描写に、ものすごい勢いで頷いてしまうのです。

安いママチャリではなく、ある程度のお金を出して買った自転車に初めて乗る喜び。今まで感じていた自転車とは全く違う心地よさ、気持ちよさ。その辺りがうまく表現されていたのも良かったですし、それ以上に良かったのは、二人で並んで走ることの気持ちよさが緻密な描写で描いていた点ですよ。今回の話まるっと1話が自転車で公道を走ることのレクチャーのようなものですが、ここまで詳細に描けるのも作者が自転車乗りという強みが活きていたのではないかと。また今回の話を読んでると、自分自身が初めて公道で自転車を走らせた新鮮な気分がすごく呼び起こされるんですよね。

そして、今回の話で一番素晴らしかったのは、一緒に自転車で走る相手が女性だということです。春の空気を頬に受け、気持ちよくペダルを漕ぎ、前ゆく彼女の後ろ姿を眺めながら不思議な一体感を抱きながら自転車を走らせるというこのシチュエーション。これがもう、何ともくすぐったくそして心地よいのですよ。何というかもう、今すぐにでも自転車をこぎ出して走り出したい気分にさせるというか、こんな風に彼女と二人で自転車デートしてみたいという気分にさせるというか、鬼頭莫宏漫画独特の鬱とは対極に位置する内容。だけどそれがいい! 自転車って楽しいよね!


ただ、何と言ってもあの鬼頭莫宏さんではありますので、幸せな気持ちになっているところを一気にどん底にたたき落とされる危険性を秘めているのも否定できないのです。『のりりん』などという、ゆるーい4文字ひらがなタイトルでカムフラージュしようが、鬱展開真っ逆さまという展開もあり得るのかもしれません。むしろ、公道を自転車で走っていたらいきなりトラックが突っ込んできてヒロイン死亡とかあり得そうで怖い! まぁ、そんな心構えは持ちつつも、楽しい自転車ライフだけを描いた漫画になってくれればいいなぁと思っております。

あと余談ですが、レーサーパンツサイクル少女は可愛い。体のラインがくっきり浮かび上がるあの密着感がまた。

この記事へのコメント

通りすがった
2010年05月15日 03:44
同時期に連載開始した方(タイトル忘れましたが)が
絶賛鬱ってるのでそっち方向性はそっちで発散してくれて
こちらは短編集に少しあったようなハートフル系な展開に
なってくれる……かも?と私は期待していますw
ゆゆゆ
2010年06月02日 21:32
わかってるけど、この画像でこのタイトルは
次のページで轢かれる描写を想像しちゃってしてしまう・・・w

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