オトコでも読めるBLマンガ『世界一初恋』で新たな地平を切り拓け!

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『世界一初恋』6巻 中村春菊 あすかコミックスCLDX

初めて本屋のエロ漫画コーナーに足を踏み入れ買ったエロ漫画、恥ずかしかったです。初めて本屋の少女マンガコーナーに足を踏み入れ買った少女マンガ、恥ずかしかったです。初めて本屋の少女小説コーナーに足を踏み入れ、レジに差し出したコバルト文庫のマリみて、恥ずかしかったです。しかし、そんな恥ずかしさも過去のもの。今ではすっかり羞恥心も消え失せ、本屋で平気で物色しては買いあさっている有様ですが、初めて未知のジャンルに足を踏み入れる時というのは戸惑いと恥ずかしさが付きものなのです。しかし、毎日本屋通いしてるような自分でも、未だに本屋の中でも未開の一角があります。そうです、乙女の園、BLマンガコーナーです。

マンガの食わず嫌いには定評のあるこの自分ですが、BLマンガもその一つでありました。いや、食わず嫌いというか、嫌いという感情の前にそもそも意識の対象外だったというか、好きとか嫌いの感情すらも向かない対象であったのかもしれません。自分も男ですから、男同士が裸で絡んでるのにハァハァ出来るはずもなく、そりゃ意識が向かないのは当然といえば当然。

しかしそんなBL童貞の自分が、何の因果か偶然かひょんな事からBLアニメ『世界一初恋』を見ることになりましてね。いや、このアニメすごく面白いからみんなで見てみようぜということで、鑑賞会に参加することになったのです。BLにそれほど造詣が深くない野郎共が集まってレクチャーを受けながら見始めたわけですが、最初はそれほど興味のなかった面々が4話くらいまで見終わった頃には男同士でキスして裸で絡み合うシーンになる度に黄色い歓声をあげながらガッツポーズですわ。いや、なんですかこれ! 世界一初恋めっちゃ面白いじゃないですか!

そして、アニメを見た勢いで原作マンガにも手を出してしまうのは致し方ないこと。そして読み始めたマンガもこれが最高に面白いのだから困るのです。この『世界一初恋』という物語が面白い要因は、ズバリ王道展開の上手さに尽きると思うのです。次の瞬間にはこうあって欲しいと願う読者の希望通りに物語が展開していく気持ちよさを作者はものすごく心得ていると思うのです。それはまさに王道展開の妙。かゆいところに手が届く心地よさというか、パズルのピースが思い通りにはまっていく気持ちよさというか。先が読める展開にもかかわらず、そうなってくれると嬉しさで顔がニヤけてきてしまうのですよ!

主人公が転職すればその会社の上司(男)がかつての初恋の相手だったり、部屋を引っ越せば隣の部屋には当然のごとくその上司が住んでいたりととにかくベタな展開が満載なのです。もうね、やっていることは王道のラブコメであり、王道の少女マンガそのもの。ただ一つだけ違うのは、メインのカップル達がすべて男同士ということだけ。しかし、ずっと見てるとそんなことは些細なことに思えてくるのだから不思議なのです。あくまで人と人との関係性による物語としてみれば、ラブコメや少女マンガ読んで悶絶してるのと同じ幸福感を得られるのです!

この6巻においてもそんな王道展開がてんこ盛りで、読んでいて思わず喜びの奇声を発しながら身悶え3回転半を繰り返すシーンが山盛りなのです。


上司の高野さんと主人公の律が出張に出かければ、部屋の手配ミスにより同室のダブルベットでお泊まりという展開には歓喜の雄叫びを上げざるを得ません。そこから繰り広げられる同衾イベント→ドキドキして眠れるわけない→組んず解れつプレイの流れるようなお約束展開の前になすすべもなく完敗。参った、オレは参ったあああ!

そしてこの6巻での一番のキモはやはりなんと言っても律の告白ですよ。もうね、この律というキャラが上司の高野さんの事を好きなのは1話始まった時点から明白なのですが、本人が頑なにそれを認めないのです。まぁ、それはそれで意地っ張りのツンデレ芸として我々読者を大いに喜ばしてくれる要素なのですが、そんな律っちゃんがこの6巻にいたってようやくその本心を口に出してしまうのですよ!


き、キター! せっかく意を決して告白したというのに雨音にかき消されて伝わってない超ベタ展開キテマシター! いや、分かってた、分かってたさ。そんなに簡単に告白が無事に済むなんて思っちゃいなかった。そして、こういう展開になることも大いに予想された。そして、その予想通りに、希望通りに、律っちゃんの告白がうやむやのウチに先送りにされたこの展開にこそ王道の美学を感じるし、オレら大興奮の原動力が詰まっているのです。このあたりが『世界一初恋』の面白さの最たるものだと思うのですよ!

間口は狭いがハードルは意外に低い、そしてのめり込めば奥が深い。男同士だから抵抗感があるなんて事は、まさに大事の前の小事。その先に広がる新たな地平はとても素晴らしいものなのだから! この『世界一初恋』というマンガは、まさにそんなマンガであり、BL初心者の男性諸氏にこそオススメしたい逸品なのです。


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『世界一初恋』6巻 プレミアムアニメDVD付き限定版

さて、今回の6巻ですが通常版と共にアニメDVD付きの限定版も発売になってますが、当然そちらを買ってきました。テレビアニメ未放映の12.5話「羽鳥芳雪の場合」が収録されている限定版です。この『世界一初恋』というマンガは少女マンガ編集部を舞台に繰り広げられる物語なのですが、そこに出てくる編集部員達は編集長を筆頭にして全員ホモという恐ろしい職場環境。そんな中、メインのカップルである編集長の高野さんと新人編集部員にして主人公の律のあれこれをマンガでは描いているのですが、それとは別に小説版で描かれている編集部員達もいます。それがこの副編集長と作家のホモップルという「羽鳥芳雪×吉野千秋の場合」です。

このアニメでは吉野の実家に羽鳥が行くという話なのですが、そんな実家への挨拶云々はさておき、見所の一つは吉野の実妹です。

 

Before              →              After

この妹キャラは羽鳥のことが好きらしいのですが、最初はTシャツ短パン姿のラフな姿で登場したというのに、羽鳥が来ている事を知るとおめかしして登場するというこのわかりやすさ! なんですか、この妹。軽くブヒれるじゃないですか。なんかISに出てきた主人公の友人の妹キャラでも同じようなイベントがあって猛烈にブヒっていた記憶が。

そうなんですよ、この『世界一初恋』という物語ではこういった女性の萌えキャラが所々に登場するのです。そして、これが普通の少女マンガか萌えマンガであれば確実にフラグを立ててラブコメ状態に移行するはずなのです。しかし、悲しいかな、このマンガってBLなのよね。目の前にあるご褒美に見向きすることもなく、目の前にあるフラグを回収するそぶりさえ見せずに、バッキバッキとフラグを折る音が聞こえてくるくらいにスルーしまくり、そして向かう先は意中の男キャラというね!

もちろん、そこに悲しさというかもったいなさを感じはします。この作者による同性愛じゃないヘテロものを読んでみたいって気持ちも確かにあります。しかし、そんな良質な女性キャラを置き去りにして向かう先には、まだ見ぬ桃源郷が待っているのです。

 

男同士である事に対する後ろめたさがありながらも、そんなモノさえも捨てて一生愛し抜くことを誓う羽鳥さんとかマジイケメン。天然鈍感な吉野に振り回される羽鳥さんにもニヤニヤさせられるし、特にラストシーンでの吉野の電話口のセリフに頬を緩ませてる羽鳥さんを見せつけられてしまっては、こちらの方が猛烈にニヤリングするっての! ああいうベタ展開があるのであれば、もう男同士でもいいよ!(開眼


秋アニメも始まってきたこの時期ではありますが、今期も期待のアニメはたくさんあります。しかし、そんな中でも男性諸氏にはあまり話題にされない『世界一初恋2』こそ、ダークホースであり、個人的にも大期待しているのであります。

この記事へのコメント

すっかり
2011年10月30日 11:16
まさしく同感。学生時代に戻って、BLものをまた読んでみようかなと思ってしまう作品
ひとみ
2012年06月23日 22:56
私もアニメ見れば良かった
OPはようつべで見たけど
親に禁止されたくないから、見てなかっけど、
録画でもして1話ぐらい見れば良かった!
ひとみ
2012年06月30日 17:00
今日一巻買いましたよ!
やっぱり漫画とアニメでは、細かい部分が
変えてありますね・・・
2.5話のHシーンが特に・・・
のんのん
2013年01月22日 16:23
全巻もってます。アニメも一期だけですが、みました。
さー
2013年11月05日 17:54
全巻持ってまぁす!
うわー(///ω///)♪やっぱしセカコイいいですよね!私も最初はBLってだけで避けてたんですけど、春菊てんてーの純ロマ&セカコイにハマってしまい(笑)今ではこれなしじゃ生きていけない状態です(笑)(笑)(笑)
特にトリチアだーい好き

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