泣き顔、赤面、どれもが素晴らしい『水あさと短編集』

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『宮田書店へようこそ!水あさと短編集』 水あさと MFコミックス

水あさとさん初の短編集となっておりますが、中には『デンキ街の本屋さん』の原型ともなった『宮田書店へようこそ!』や番外編なども載っており、『デンキ街の本屋さん』のファンとしては嬉しいところでしょう。ただ、この短編集の最大の面白さは、なんと言っても冒頭に収録されているコミティアで出されていた短編でしょう。今では商業連載を抱える作家さんではありますが、コミティアで出されているマンガの数々もどれも素晴らしいモノ揃いで、個人的に追い掛けてるサークルさんなんですよ。



「帰れない二人」

このイラストにピンと来る方は結構多いんじゃないかなとは思うのですが、pixivのデイリーランキングで1位を取ったことのある絵でもあります。この絵の何が素晴らしいって、見ただけでいろんなシチュエーションの想像を喚起させる所だと思うのですよ。そしてこの1枚絵が先にありきで、マンガの方は後付けで創作された内容になっているのですが、これがまたこのイメージイラストに負けず劣らずの青春ど真ん中で素晴らしいのです。

卒業式と告白というイメージイラストのシチュエーションにこの二人はどのように至るのかという興味を、読者に驚きと意外性をもって与えてくれる内容。水あさとさんの漫画の良さは、ページをめくった時に巻き起こる意外性という部分が非常に強いと思うのですが、この作品においてもそれは健在で、1ページ丸ごとヒロインの泣き顔を描くシーンとかはその最たるもの。この二人が最終的にどうなるのかという興味を変化球っぽく描きつつも、最終的には青春ど真ん中のストーリーになっているのは素晴らしいですよ。



「ファミレスの住人」

常々、赤面する女の子は可愛いと思って生きているこの自分ですが、そういう意味ではこの作品のヒロインの赤面も大層素晴らしいのです。ファミレスでダベっている男二人女一人のグループが、ひょんな事から男二人からヒロインへの告白大会へと繋がっていくのですが、この告白を受けた時のヒロインの赤面っぷりと恥ずかしがりっぷりがそれはもう最高すぎるのです。赤面する娘は可愛い、赤面しながら恥ずかしがる女の子はもっと可愛い!! 告白の後もさらに好き好き言われて、好きの大合唱を前にして手で顔を隠して恥ずかしがるヒロインの可愛らしさが反則です。これはニヤニヤせざるを得ない!

この物語自体の結末は描かれる事なく、結局どちらの告白を受けるのかなどについてはぼやかされたままなのですが、これはこれで良いと思います。むしろ、この三人は当分このままなんじゃないかなとも思えますし。

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