ニセコイ絶頂期とはこの巻のことであったか!『ニセコイ』5巻

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『ニセコイ』5巻 古味直志 ジャンプコミックス

ニセコイが完結して振り返ったときに、この漫画が一番面白かった時期っていつだったと思うという話題になったなら、この5巻だったんじゃないかという結論に至ると思うんですよ。いや、まだ連載中の作品ですし、今後どんどん面白くなっていく可能性もありますし、そうあって欲しいと願っているのですが、ただこれまでに刊行された単行本の中では間違いなく一番面白かった巻だと断言出来るのです。

4巻ラストで登場したマリーなんかは、単なる新キャラ投入による安易なてこ入れなのかと思いきや、そんなことは全くなく、ものすごく美味しいキャラへと成長したじゃないですか。そして遂にヒロイン4人がそろい踏みして舞台が出来上がった感もあるのです。やはりジャンプラブコメと言えば主人公一人に対しヒロイン4人、この構図ですよ。ハーレムと言うほど美少女わんさかでもなく、それでいてどの娘も可愛くて読者的にも目移りしてしまい悩ましく思ってしまう人数。エピソードを描くにも、お当番回を適度にこなせてローテーション出来る人数がこの4人であるのかもしれません。

そして、この5巻ではその4人のエピソードが満遍なく配置され、どのキャラも魅力的に描かれているのです。それはもう最初から最後まで濃厚なニヤリングラブコメ! ニセコイは1話完結のエピソードも多く、長くても3、4話くらいで終わるショートエピソードの連続じゃないですか。そのショートエピソードがどれも外れなく面白いのだからたまらないのです!

橘 万里花

新キャラとして登場したマリーですが、登場した当初はどうなるかと思いましたが、結果的に見ればものすごく良いキャラになりました。この漫画に足りなかった、主人公に対してグイグイと押しの一手で攻めていくキャラというポジションを見事に補完してくれましたし、その攻めの一方で実は受けにまわると途端に弱いというギャップが素晴らしいのです。慌てると方言がぽろっと漏れて赤面顔を見せてくれるシチュエーションにオレの頬は緩むばかりさ! 「急にそがんこと言われたら困るばい」と「ダメばい」の破壊力は何事かと!


小野寺 小咲

モブ寺さんの二つ名をほしいままにしてきた小野寺さん。この漫画における二大ヒロインのはずなのに、その扱いは不遇で、とにかく報われない。しかしその報われなさっぷりに一部コアなファンの熱狂的支持を集めると何とか……というか、オレがそうなんですが! 今巻の台風エピソードも、台風で家に閉じ込められて二人きりのシチュエーションからの次回ヒキなんて、どう考えても報われない展開への伏線としか思えなかったのですが、ところがどっこいきっちりとヒロインの仕事をこなしてましたよ。メアド交換するというハードルを越えてよくやった、ニヤニヤした!


鶫 誠士郎

つぐみのエピソードって他の3人のヒロインに比べればその数は圧倒的に少なく思えるのですが、そんな中でも、光り輝く存在感あるエピソードが多い気もします。今回の嘘発見器エピソードもまさにそんな話であり、自分の気持ちに正直になれないつぐみの本心が徐々に解き明かされていく過程のエピソードとして見てる者のニヤリングを誘発する力に満ち満ちていたかと! ってか、もうバレバレなので早く自分の気持ちに気づいて千棘に対して罪悪感にさいなまれながらも楽への気持ちを抑えられなくなって修羅場になる展開をね、早くですね!


桐崎 千棘

この漫画の正ヒロインにして正妻。ってか、この巻の千棘の正妻気取りっぷりが何ともニヤニヤを誘うわけですが。グイグイと押してくるマリーの登場により、千棘の嫉妬と楽に対する正妻気取りが前面に押し出されるようになったのは何とも嬉しい展開な訳です。嘘発見器エピソードで楽が千棘のことを本気で愛してると言うのに対し、ドキドキした表情を見せる場面とか、縁日エピソードで恋結びを贈られて告白されたものと勘違いして大赤面を見せてくれる場面とか、正ヒロインの面目躍如。なんだかんだで千棘はやはり可愛いですし、正ヒロインのことだけはありますよ。この辺りからどんどん楽のことを意識し出すのもいいんですよね。


しかし、こうやって見ると、ニセコイって漫画は各ヒロイン話を短いサイクルで描き回していった方が圧倒的に面白いよなぁというのを再確認。今巻ラストでは衝撃の展開で次巻に引いておりますが、その後のことはまぁね。それよりも、こうしたヒロインの魅力の掘り起こしこそがこの漫画の魅力だよ、やっぱり!

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