![]() 『図書館戦争LOVE&WAR』1巻 弓きいろ/有川浩 花とゆめコミックス アニメの放映も始まり、何かとタイトルを聞く機会も多くなってきたこの『図書館戦争』。原作は小説で、しかもハードカバーで、少々お高い値段設定と、なかなかの敷居の高さを見せつけており、自分のような新参者が読み始めようと思ってもなかなかの抵抗感があるモノ。普段、質的にも量的にも重量的にも、文字通り軽いラノベを読み慣れている者からしてみれば、より一層そう思ってしまうんですよね。 そこに来てこの漫画版です。ちょうど1巻が発売されたばかりというのもあり、アニメと平行して原作の内容を追いかけていけるという利点もあり、何よりさっくりと気軽に読み始められるのが最大の長所。各所で評判良いのにも後押しされて買って読んでみたのですが、これがまさに評判通りの面白さでした。 メディア良化法により、本への検閲が極度に強化された世界。その世界にあって、本の自由を守るべく立ち上がった組織が図書館防衛部、図書隊。本の自由を守るためなら銃火器の使用も辞さずというスタンスにて行われる、メディア良化委員会と図書隊との戦争というか抗争というか小競り合いが起こっているのがこの物語の舞台なのです。 設定だけ見ると結構重々しくて物々しい雰囲気に包まれているのですが、それはそれ。この物語がなぜ花とゆめコミックスになっているのかというのを考えれば分かるとおり、そこに「LOVE」があるからなのです。サブタイトルの「LOVE&WAR」という文言は伊達ではなく、「愛の戦争」という意味ではなく「恋愛と戦争」。図書館で戦争でそして恋愛なのです! この3つの相容れない要素が見事に集結したときに起こった爆発力こそがこの物語最大の魅力なのです。 ヒロインの郁は憧れの図書隊に就職したての1年目。身長170センチで男顔負けの身体能力を誇っているが、座学はさっぱりという両極端。そんな彼女が、なぜ女だてらに図書隊を志望したのかといえば、高校生の頃に図書隊の隊員に助けてもらったという想い出と、その助けてもらった相手である憧れの王子様を探すためという理由があるのです。 そしてその設定をベースに繰り広げられるラブ&コメディがこれまた極上の出来映え。就職したての郁を厳しく指導する鬼教官の堂上との関係性が素晴らしく、読んでるオレのニヤリングも最高潮。スチュワーデス物語の時代から連綿と受け継がれてきた教官と教え子という関係性におけるラブコメ的破壊力が、この漫画においても遺憾なく発揮されているのです。 最初の内はいがみ合い、激しく衝突しあうばかりだけど、厳しい指導の中に感じられる優しさというか愛に次第に郁自身が気づいていくくだりは、これぞ少女漫画。前述の憧れの王子様と、教官の姿をダブらせて想い始めるあたりのこっ恥ずかしさと来たらもうどうですか! 郁よりも背の低い堂上教官が郁の頭をなでてやるシーンのこっ恥ずかし さと来たらもうどうなんですかっ!! 図書館で戦争というベースになる部分もきっちりとしてますが、この弓きいろ版図書館戦争はやはりそのラブコメ的要素と、しっかりと少女漫画している内容が素晴らしいのです。なぜ、この題材を花とゆめコミックスでやるのだろうかと最初は疑問を抱きましたが、読んでみて納得の出来映え。これはホントに面白い少女漫画です。 しかもこの作者、これが初単行本なんですよね。『とある科学の超電磁砲』といい、原作付きコミックスにおいてこうした才能ある新人が出てくるのは何とも嬉しくなってきます。2巻も非常に楽しみにしておりますよ。オススメです。 『図書館戦争 LOVE&WAR ・1』の感想(空夢ノート) 有川浩、弓きいろ/図書館戦争 LOVE&WAR(マンガ1巻読破)
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