ツンデレはコミュニケーション不全者とみつけたり、『“文学少女”と恋する挿話集2』

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『“文学少女”と恋する挿話集2』 野村美月 ファミ通文庫

表紙絵のななせを見てるだけで果てしなくニヤリングできる自信があるぜ! カラーイラストのビキニななせや、手を繋いで頬を染めるななせを目の前にしては本編を読む前から身悶えられる自信があるぜ!

短編集1巻目や、外伝である『“文学少女”見習いの初戀。』ではあまり出番が無くて存在感の薄かった琴吹さんですが、この挿話集2では出番もグッと増えているみたいで楽しみに待っておりました。メインはやはりななせ視点で描かれた「ななせの恋日記」でしょうね。しかし期待していたのと違って、これが読んでみるとどうにもしっくり来ないのです。

心葉視点、もしくは第三者視点でななせを見た時って、彼女ってものすごく典型的なツンデレキャラじゃないですか。好きなのにそうと言い出せずに、思っていることと逆の行動をしては一人反省会をしている姿がたまらなく愛おしくてニヤニヤさせられるという、ツンデレオブツンデレな訳じゃないですか。しかしこれがななせ本人の視点で語られる今回の「ななせの恋日記」を読んでみると、なんだか違和感があるのです。読者自身もななせ視点でいるからこそ、思っていることを行動に移せない事に対する焦れったさというか、考えていることとは真逆のことを言ってしまう事に対するもどかしさをいつも以上に強く感じてしまうのです。これはツンデレというよりも単なるコミュニケーション不全者だろという部分も感じられてしまうんですよね。まぁ、ツンデレとコミュニケーション不全者ってのは紙一重の所はあるんでしょうが。

まぁ、そんな事よりも今回のメインディッシュは森ちゃんですよ。ななせの友人として本編でもチラチラと出てきていた脇役森ちゃんにスポットの当たる日が遂に。そしてそんな森ちゃんに恋する少年・反町くんと森ちゃんの物語がメインなのです。もう何というか、これぞラノベというお手軽さと王道さ加減、本編の読み応えあるストーリーとはうって変わった軽く楽しめる部分が強くて、これはこれで非常に楽しかったです。期待していなかったところから、隠し球のご褒美が出てきて嬉しい誤算なのです。

このエピソードでは森ちゃんに恋する新キャラ反町くん視点で物語は進んでいきます。本編のキャラも多少は絡んでくるのですが、世界観だけを流用した別の物語、本編とは別種の王道ラブコメが繰り広げられているんですよね。反町くんの片想いが実り、森ちゃんと付き合うことになるまでと、付き合うことになってからのいちゃラブ三昧なバカップル生活。ファーストキスをするまでの紆余曲折をコミカルに描いた王道ラブコメ展開。もう、そのどれもが自分にとっては大好物であり、そんな展開ばかりだからたまらないのです。

つきあい始めてから下の名前を呼び合う際のいちゃラブっぷりときたら、それはもう破壊力抜群。下の名前を呼ばれるのが嫌な森ちゃんが、反町くんに名前を呼ばれては胸をぽかぽか叩いて嫌がる描写なんかニヤリングなしでは正視出来ないレベル。反町くんの為に頑張って水着姿になって、あまつさえ水着エプロン姿になって彼氏の部屋にいるというシチュエーションを生み出してしまう森ちゃんの健気さを前にしてはオレの身悶えを止める術はありません。ってか、あのシーンのイラストを目の前にしてオレにどうしろと!!

もう、そんなこんなで甘ーいベタベタないちゃラブを堪能し尽くす事が出来ました。まさか、脇キャラと新キャラだけでここまで楽しめるとは思ってもみなかったですよ。ななせはななせで悪くはなかったのですが、彼女は総体的に報われないポジションに位置する娘なんだなぁと。次の外伝2巻ではもう少し報われればいいんだけどね。


DVD付特装版〝文学少女"見習いの、傷心。

外伝2巻は12/26発売。しかもDVD付きの特装版ありとな。これは期待大。

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