ブレイク必至!マンガ大賞にもノミネートされた本作、『四月は君の嘘』

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『四月は君の嘘』1~2巻 新川直司 月刊マガジンコミックス

面白い作品に出会うと、誰彼かまわずにオススメしたくなるのはオタクのサガですが、このマンガはまさにそんな気持ちにさせてくれる作品なのです。マンガ大賞にもノミネートされた本作は、今年間違いなくブレイクするであろう漫画ですし、そうあって欲しいと思う漫画。書店員であればもちろんのこと、そうでない人だって他人にお勧めしたくなるような素敵な作品なのです。この漫画には、音が、情熱が、青春のきらめきが詰まっている!

かつてピアノの天才少年と呼ばれた主人公、有馬公生。しかし、母親の死をきっかけにピアノを弾けなくなり、すでに3年が経っていた。14歳、中学三年生の春、周囲がモノトーンにしか見えなくなっていたそんな時期、彼は出会った。世界をカラフルに色づかせるような出会いを。

もうね、青春ですわ。青春過ぎますわ。迷い、悩み、苦しみながらも、がむしゃらに駆け出していく、そんなキラキラまばゆいばかりの青春がここに詰まっている! 主人公は母の死をきっかけにピアノを弾けなくなったかつての天才少年なのですが、その彼が出会うこととなったのがヒロインでヴァイオリニストの宮園かをり。主人公とは対照的に明るく自由奔放で天真爛漫。そんな彼女との出会いにより物語は動き始め、彼女の演奏を聴くことにより物語は回り始めていくのです。彼女に引っ張られるように、後押しされるように。

もがき苦しみながらも、しゃにむに駆けていく少年少女の姿は美しい。世界がモノトーンにしか見えなかった少年が、彼女との出会いを経て色づく街を目の当たりにし、そして走り出していくという展開。1巻で展開された導入はあまりにも素晴らしく、1巻ラストで自転車に乗って走り出していく姿のなんとまぶしい事か!

それを引き継いで展開される2巻はといえば、壁にぶつかってもがき苦しむという、青春の苦み。かをりに引っ張られてヴァイオリンの伴奏をやらされることになった公生。ピアノを弾いているとその音が聞こえなくなるという壁にぶち当たり苦しんでいたにも関わらず、半ば無理矢理に上げられたステージの上。そこで、公生はやはり途中で弾けなくなってしまうのです。


しかし、もう一人じゃない。ともにステージの上で演奏するかをりの姿はまさに一筋の明かり。それにすがり、演奏を再開する二人。がむしゃらにぶつかり合い、そこから激しい熱量を生み出す演奏。もうこれら一連のシーンを鳥肌なしで見ることが出来ません。素晴らしすぎる!

そして、これらのシーンをより一層盛り上げているのは、演奏シーンの描写の上手さなのです。音楽漫画の演奏シーンというのはよっぽどの上手さを持っていないとうまく描けないものだと思うのですが、この漫画において、それは全くもって問題ないどころか、物語をさらに盛り上げる要素として際立っているのです。

例えば『BECK』、音楽漫画としても傑作のこの漫画においてコユキが歌うシーンというのは音がないのに歌が聞こえてくる迫力に満ちあふれております。例えば『ピアノの森』、カイが弾くそのピアノからはその旋律がその想いが伝わってきて背筋を震えさせられるのです。音の出ない漫画というメディアで音を表現する難しさはかなりのものと思いますが、だからこそ、漫画を読んでいて音が聞こえてきたら、それだけでもう傑作と呼べるじゃないですか。そして、この漫画『四月は君の嘘』もまた、そんな傑作と呼べる作品になろうとしているのです。

ピアノを弾く公生とヴァイオリンを弾くかをり。演奏に至るまでの物語の盛り上げと、演奏している最中の見せ方の演出。二人の表情、息づかい、身動き。動と静、その間。これらすべてが絡み合い、描き出される演奏シーンの熱量。公生とかをりがステージ上でぶつかり合いながら演奏している音が聞こえてくるじゃないですか。演奏を終えた後のホールを包む歓声が聞こえてくるじゃないですか!

また、このマンガのタイトルにもなっている『四月は君の嘘』。「君」が誰で「嘘」が何なのかはまだ明らかにされていません。普通に考えれば、かをりが公生のことを昔から知っていたことを隠していた事や、彼女自身の病気の事なんかが思い浮かぶわけですが、どうなんでしょうか。そもそも、かをりが公生の親友である亮太のことを好きだというきっかけで、公生の前に現れたこと自体にも違和感を抱くわけです。それすらも嘘なんじゃないかと。

また、公生の幼なじみの椿。表面上は単なる幼なじみにして悪友にしか見えないんだけど、彼女自身もまた自分の想いに嘘をついているように思えるのです。実際に今月の月マガの連載では彼女のそんな想いがこぼれ落ちておりましたし、そんな彼女の表情を見ているだけで胸のトキメキをおさえる事が出来ません。主役二人だけに限らず、友人二人を加えたこの4人の関係。これ自体もまた青春ストーリーを盛り上げ彩る要素としてたまらないわけですよ。

音楽漫画としても身震いさせられ、青春ストーリーとしても眩しいばかり、瑞々しくも鮮やかな物語が紡ぎ出されていく本作。これはもう、ホントにオススメなのです!

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